健康睡眠プロジェクト

21世紀型中学受験
モチベーションアップの3つの秘訣
「体の秘訣 睡眠の質が
決め手~脳と香り~」
セミナーレポート

第1回 前編

テーマは「体の秘訣 睡眠の質が決め手 ~脳と香り~」

9月14日、ライズTOKYO協賛のイベント「21世紀型中学受験 モチベーションアップの3つの秘訣!」の第1回目のセミナーが開催されました。このセミナーは長い受験生活を乗り越えようとしている中学受験親子に、「体の秘訣」「学の秘訣」「心の秘訣」の3回にわけて、各界のトップ講師陣を迎え、対談型式でそのノウハウを聞くというものです。記念すべき1回目は、アロマ調香デザイナーの齋藤智子氏と、「睡眠負債」で流行語大賞を授賞した脳科学者である枝川義邦氏のお二人を迎え、「体の秘訣 睡眠の質が決め手〜脳と香り〜」と題して講演が行われました。会場には約70名もの中学受験を控えた保護者のみなさまが集まり、熱心に耳を傾けていました。

中学受験を控えた70名もの親御様が参加

アロマと脳と睡眠がでてくるわけとは?

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アロマ調香デザイナーの齋藤智子氏

齋藤:アロマというとどういうイメージでしょうか?おそらくリラックスのイメージが強いと思うのですが、実は気持ちを上げてくれるような香りもあります。たとえばレモンの精油は血流を上げてくれる作用を持ち、嗅ぐと新しい酸素が脳に運ばれることでリフレッシュできたり、脳の活動が活発になることもわかっています。今日は、アロマがなんとなくいいよ、だけではなく、科学的データなども交えたお話を枝川先生と一緒にしていきたいと思います。

早稲田大学教授で脳科学者の枝川義邦氏

枝川:今日は睡眠やモチベーションについてお話しますが、実は睡眠はやる気を上げる秘訣でもあるんですね。睡眠不足の人はなかなかやる気がでない。そして睡眠は時間ではなく質も大事で、その効果は「時間×質」で得られます。しかもアロマが脳の働きに影響を与えるという研究結果もある。今日のテーマを不思議に思ったかも知れませんが、やる気は脳の働きがカギとなり、その脳の機能を正常に働かせるためには睡眠が大事、アロマも脳の働きに影響する、という具合に、全部が関係しています。受験は長期戦なのでメリハリも大切になってきますから、そのような切り口からもお話させていただこうと思います。

脳にダイレクトに届く!
アロマの基礎知識

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デザインも美しい齋藤智子氏のアロマ

齋藤:アロマセラピーについて少しお勉強していただきましょう。香りというと、香水やアロマディフューザーなどいろいろありますが、もともとは古代エジプト時代の「薫香」まで遡ります。パフュームの語源も「煙を通して」、という意味があり、当時はこの香りの煙は神への捧げ物として神聖視されていました。また、ミイラ作りには抗菌作用のとても強い「ミルラ」という精油が使われていましたが、実はそれがミイラの語源です。歴史的に見ても、何千年も前から香りは私たちの人間とともにありました。

アロマの歴史は古代エジプトまで遡る

齋藤:アロマセラピーとは、「芳香療法」という意味の造語です。ではアロマとは何か、という定義を簡単にお伝えすると、私たちIAPA(プラスアロマ協会)では、植物から抽出した100%天然の成分「精油」や「エッセンシャル オイル」を、意識的かつ意図的に目的をもって生活や美容、健康に役立てる方法のこと、とお伝えしています。例えば、アロマというと「ラベンダー」が有名ですが、ラベンダーは万能精油と呼ばれていて、リラックスをさせてくれるだけではなく、消炎、抗炎症、皮膚再生や免疫力向上など、様々な芳香成分のおかげでたくさんの働きを期待できる精油なのです。

熱中度にも影響が!アロマの効果例

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齋藤:小中学校で「香育」という講座もさせていただくのですが、以前小学生の子ども達にいろいろなアロマの精油を嗅いでもらい、どれが好きか、どんなイメージか、などをアンケートで聞いたことがあります。では問題です。何が一番人気だったと思いますか?

子供に人気の香りはどれ?

齋藤:実は「オレンジ」でした。オレンジスイートの主な作用に、気持ちが前向きにパッと明るくなる「抗うつ作用」があります。お子さんにちょっと元気がないとき、不安なときなど包み込んでサポートしてあげたいときなどにおすすめです。面白いことに、鎮静作用もあって、安眠にもいいというデータもあります。つまり、オレンジの香りは元気を出したいときにも、気持ちをリラックスさせたいときにも使えるすぐれもの。小さい赤ちゃんなら夜泣きにもいいですし、胃腸の働きのサポートもしてくれるので、緊張して食べられないときにも良さそうですね。是非、一家に1本欲しいアロマです。ペパーミントも先ほどのレモンと一緒で、血の巡りを良くしてくれる精油です。冷却作用があり、体感温度が4°C下がるというデータもあります。

枝川:ペパーミントに関しては心理状態を調べた例がありますね。あるパソコン教室で、濃度10%のペパーミント精油を使った結果、熱中度が上がったということです。そのほかにもイライラ感といった心理的負担も軽減して、眠気も生じないという結果が出ています。ちなみにアロマと言うと鼻からというイメージがありますけど、やはりメインは鼻ですか?

齋藤:はい、鼻です。香り、精油がどうやって入っていくかですが、主に鼻、肺、皮膚という3つのルートがあります。鼻は呼吸ですね。肺からというのは、呼吸をすることで気管支から肺に取り込まれます。流れて、血液によって全身に流れて取り込まれます。皮膚はアロマトリートメントなどを行うことで、皮膚の表面から入り血流に取り込まれて全身を巡ります。本能や情動と直結をしているところが嗅覚で、五感の中で他の4つ(視覚、聴覚、味覚、触覚)とは違う伝わり方をしているのです。

枝川:人間には目、耳、鼻、舌、皮膚が5種類の感覚として周囲の情報を取り入れていますが、その中で、香りだけは直接脳の中でその情報を処理する場所に入ります。他の感覚は他の場所を通ってからそれぞれの情報が処理されますが、香りはダイレクトに処理されるので他の感覚とは異なる性質を持っているといえます。

次回

第1回 後編

1026日(金)に更新!

21世紀型中学受験
モチベーションアップの
3つの秘訣

PROFILE枝川 義邦

えだがわよしくに/早稲田大学研究戦略センター教授。東京大学大学院を修了して薬学の博士号、早稲田大学ビジネススクールを修了してMBA(経営学修士)を取得。早稲田大学スーパーテクノロジーオフィサー(STO)の初代認定も受ける。脳のしくみや働き、人間の行動などについての執筆や講演、テレビ出演や雑誌取材も多い。2015年度早稲田大学ティーチングアワード総長賞、2017年度ユーキャン新語・流行語大賞を受賞。一般向けの著書には『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』(明日香出版社)、『記憶のスイッチ、はいってますか』(技術評論社)などがある。

PROFILE齋藤 智子

さいとうともこ/京都で10代続く家に生まれ、幼少期より伝統的な香り文化に親しむ。「本物の薫りだけが、人の心を動かす」を軸に、天然精油にこだわり調香を行う。これまで制作した香りは5000種以上。調香のプロを養成する傍ら、美術館、コンサートなどでのアロマ空間演出や、企業の香りコンサルティングなど国内外で香りのプロデュースを手がける。2017,18年のミラノサローネにて、ミラノデザインアワード受賞展示、Panasonic Designで調香を担当し好評を得た。